「肌の酸化」がシミやシワを招く? 抗酸化につながるセルフケアとは

最近よく「酸化」「抗酸化」という言葉を耳にしますよね。実は肌の酸化は老化の原因になり、シミやシワ、たるみなどを引き起こすといわれています。そもそも酸化とはどのような現象なのか、抗酸化の意味や具体的な対策方法とあわせてチェックしてみましょう。

 


目次


 


よく耳にする「酸化」「抗酸化」とは?

 

「酸化」とは

「酸化」とは、物質と酸素が結びついて生じる化学反応のこと。たとえば、りんごを切って放置すると茶色く変色しますよね。この現象こそ目に見える酸化の1つで、りんごの組織と酸素がくっつくことで発生します。私たち人間の体も、このような酸化によって徐々に老化が進んでいくといわれています。

 

肌が酸化するとどうなる?

酸化は体のあらゆる場所で発生します。たとえば血管が酸化するとしなやかさや柔らかさが失われ、動脈硬化の原因になります。そして肌に酸化が生じた場合は、メラニン色素が増えてシミができたり、コラーゲンなどが変質してシワやたるみができたりするなど、目に見える老化となって現れてしまうのです。

 

酸化を引き起こすのは活性酸素

そもそも酸化は、体内に発生した活性酸素によって引き起こされます。活性酸素は私たちが酸素を吸うだけで発生し、適量であればウイルスや最近などから体を守ってくれる物質です。しかし、ストレスなどで活性酸素が過剰に増えると、健康な細胞まで攻撃し、酸化を招いてしまいます。

 

「抗酸化」の意味

「抗酸化」は、活性酸素による酸化を抑える作用のこと。たとえば肌の抗酸化はエイジングケアにつながり、見た目の若々しさにも直結します。「抗酸化成分は老化防止に役立つ」「シミやシワを防ぐためには肌の抗酸化が重要」などといわれるのは、このためなのです。

  


夏のダメージによる肌の酸化に要注意!

 

夏は、肌の酸化が進みやすい季節だといわれています。その大きな要因となるのが、太陽から降り注ぐ紫外線です。紫外線を浴びると体内に大量の活性酸素が発生し、シミ、シワ、たるみなどの原因になってしまうのです。 夏場は1年のうちでもっとも強い紫外線が降り注ぎます。夏の間、多くの紫外線を浴びていた方、十分なUV対策をしていなかった方は、肌の酸化ダメージが急増しているといえるでしょう。 また、睡眠不足やストレスも多くの活性酸素を発生させます。夏の暑さで十分な睡眠をとれていなかった方、夏バテなどでストレスを溜め込んでしまった方も油断は禁物です。

 


秋は肌の酸化ダメージをケアしよう

 

酸化の原因や恐ろしさを知ると、「夏に多くの紫外線を浴びてしまったから、もう肌の老化は避けられない……」と落ち込んでしまいますよね。しかし、適切なケアを今すぐ始めれば、決して遅いということはありません。夏の次の季節である秋から、抗酸化を意識したケアを始めましょう。

 


抗酸化に役立つ食べ物・飲み物

 

私たちの体にはもともと抗酸化力が備わっていますが、残念ながら加齢などの影響でその力は弱まってしまいます。そこで取り入れたいのが、抗酸化作用を持つ栄養素です。ここからは、抗酸化に役立つ食べ物や飲み物をチェックしてみましょう。

 

緑黄色野菜

かぼちゃ、にんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜には、抗酸化作用のあるβカロテンが豊富に含まれています。カロテンは脂溶性ですから、油で炒めたり、オイル入りのドレッシングをかけて食べたりすると効果的です。 また、同じ緑黄色野菜であるトマト、赤ピーマンにはβカロテンとともにメラニンの発生を抑えるリコピンが含まれています。シミ対策のためにも積極的に取り入れましょう。

 

果物

みかんなどの柑橘類、いちご、キウイなどの果物には、抗酸化作用を持つビタミンCが多く含まれています。ビタミンCにはメラニンの発生を抑制するとともに無色に還元する作用があるため、シミ対策にも欠かせません。熱に弱いビタミンなので、できるだけ生で食べることがポイントです。

 

ナッツ類

アーモンドやピーナッツなどのナッツ類には、脂質の酸化を防ぐビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEには肌のバリア機能を安定させる作用があり、紫外線などの刺激から肌を守るためにも役立ちます。βカロテンやビタミンCと一緒に摂ると相乗効果がありますから、野菜や果物と組み合わせて食べてみてくださいね。

 

カカオ

カカオに含まれるカカオポリフェノールには優れた抗酸化力があり、紫外線から肌を守る効果が期待できます。セロトニンの働きを助けるテオブロミンという成分も含まれていますから、ストレス対策にも効果的です。よりしっかりポリフェノールを摂取したい方には、カカオが多く含まれる高カカオチョコレートがおすすめです。

 

緑茶

緑茶には、抗酸化力を持つカテキンのほか、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEなども含まれています。活性酸素の除去や美肌の維持に役立ちますから、食後やティータイムに取り入れましょう。最近ではカフェインレスの緑茶も登場していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 


抗酸化のために取り入れたいスキンケア・生活習慣

 

肌の酸化を防ぐためには、スキンケアや生活習慣を見直すことも重要です。ここからは抗酸化につながるケア方法をご紹介します。

 

紫外線対策を年中おこなう

抗酸化が期待できる食べ物や飲み物を取り入れていても、紫外線を浴び続けていては肌の酸化が進んでしまいます。紫外線は1年中降り注いでいますから、秋になっても変わらず紫外線対策を続けることが大切です。日焼け止めをこまめに塗るとともに、UVカット効果のある日傘や帽子、サングラスなどで紫外線をブロックしてくださいね。

 

抗酸化成分が配合された化粧品を使う

肌の酸化対策にはビタミンC誘導体やエラグ酸など、抗酸化成分が含まれている化粧品が効果的です。メラニンを生成を抑える化粧品には抗酸化成分が含まれていることが多いので、成分表をチェックしたうえで取り入れてみましょう。シミ・そばかす対策にはもちろん、肌荒れ対策にもおすすめです。

 

十分な睡眠をとる

睡眠時に多く分泌されるホルモン「メラトニン」には、高い抗酸化力があることが分かっています。できるだけ夜ふかしは避けて、1日7時間程度の睡眠をとりましょう。深く眠るとメラトニンの分泌が促されますから、早めに食事や入浴をすませてリラックスした状態で眠ることがポイントです。

 


抗酸化を意識したエイジングケアを始めよう

 

今回は知っているようで知らない酸化や抗酸化についてお伝えしました。肌の酸化は思っている以上に恐ろしく、見た目年齢を引き上げる原因になります。イキイキとした若々しい肌を保つために、抗酸化を意識したケアを始めていきたいですね。